2018年01月30日

愛知県・知多郡南知多町大字内海 海楽園赤線(遊郭)跡







内海・内海館の広告


中京地区ではビーチリゾートとして知られる内海。
夏はナウいヤングでホットな街ですが、季節外れの晩秋、そして寒々しい正月と2回にわたり男一人で行ってまいりましたのでレポートしてみたいと思います。


内海海岸


内海には、海楽園という赤線(遊郭)がありました。
『愛知県警察史』によると、海楽園の特殊飲食店は2軒従業婦数7人となっています。
しかし、これは昭和30年頃のお話し。
昭和22年の時点では海楽園は5軒で構成されていました。


内海・千鳥浜


風月、五月、三都野、菊水、そして××。
今、名前を挙げた4軒はいずれも現在は営業していません。
ただ、伏字にした1軒については、転業旅館の一言で片付けられないような大手の旅館として現在も営業されていますので、あえて名前を伏せました(この記事でもXXの写真は一切載せていません)。


内海・河栄旅館


以上の5軒のほかに、まちBBSの★東海地方の遊廓跡を歩くX★という掲示板では内海館さんの名前が海楽園の組合長として掲載されています(余談になりますが、この掲示板はとても参考になりますよ)。
しかし、残念なことに、当該掲示板で挙げられている資料がかなりの稀覯本のようで、ぼくはまだ見ることができていません。
したがって、内海館さんが海楽園に属していたかどうかの確認は取れませんでした。


内海・内海館跡地


なお、内海館さんは今はもう廃業されていますが、当地では一番格が高い旅館だったと、地元の方がおっしゃっていました。
内海館さんがあったのは、上の写真のところ。
内海館さんには本館と濱座敷前館があったようですが、こちらはどちらの内海館の跡なのでしょうね。


内海・風月跡


では、一軒一軒見ていきましょう。
上の写真の駐車場になっているところが特殊カフェー風月さんがあったあたりです。
影も形もありませんね(笑)。


内海・五月荘跡


特殊カフェー五月さんについては、今のところ、よくわかりません。
1970年の住宅地図に、五月荘として記載されているお家があったのが上の写真のあたりですが、海楽園の五月と同じかどうかまでは調べがつきませんでした。
(2018年2月12日追記:その後、特殊カフェー五月さんが、五月××という屋号だった時期の記録が見つかりました。××は上にも書いた現役の大手旅館の名前です。とすると、五月は××の支店だったのかもしれません)


内海・菊水跡


菊水さんがあったのは、上の写真のあたり。
この辺りは、今でも、海の家のようなお家が散在しています。


内海・松よし寮


三都野と書いて、「みつの」と読むそうです。
(2018年2月12日追記:地元の方からの聞き取りでは「みつの」でしたが、三都野の経営者の苗字は水野だったので、「みづの」だったかもしれません)
上の写真の建物、1970年の住宅地図には松よし寮と記されているお家が、松よし寮になる前は三都野だったような気がすると教えてくださった方がいました。
なお、松よし寮は、芸者の置屋さんのようなところだったようです。


内海・三都野跡


けれども、資料を総合して考えると特殊カフェー三都野さんがあったのは、上の写真のあたりのようです(途中で移転した可能性もありますが)。
この通りは昔、映画館やパチンコ屋、旅館などが並んでいる繁華街でした。
赤線跡をめぐっていると、昔はここに映画館があったんだよという話をよく聞きます。
昭和生まれの男はひとり、昭和とともに消えて行ったものたちに思いをはせるのでした。


内海・パチンコ屋のあったと通りの家


内海海楽園・行き方
名鉄知多新線内海駅下車。
駅前から伸びる道を海方面に向かう感じで南下していきます。
徒歩10分から20分ぐらい。
常滑のついでに来るのなら、市場バス停から知多バスで上野間行きに乗り、終点の上野間駅で知多新線に乗るのが早くて安いです(ただし、バスの本数が少ないのでご注意ください)。


内海地図


参考ウェブサイト:

愛知県図書館絵はがきコレクション(昔の内海館の写真を見ることができます)
https://websv.aichi-pref-library.jp/chiki/ehagaki/f_chita_2.html

美晴楼(楼がつきますが遊郭跡ではありません。昔は旅館だったうなぎ屋さんです。親切ですよ♪)
https://tabelog.com/aichi/A2304/A230403/23031504/

知多娘。(内海お吉というキャラがいます)
http://www.chita-musume.com/blog/


内海・入見神社


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内海・内海駅のねこ








内海・内海の街並み
(2017年11月9日、2018年1月2日)
タグ:旅館 愛知 遊郭
posted by ahoujin at 01:31| Comment(2) | 遊郭(愛知県)

2018年01月03日

愛知県・常滑市市場町他 常楽園赤線(遊郭)跡







常楽園・金時


『愛知県警察史』の一覧によると、常滑にあった常楽園は7人の業者で構成されています。
けれども、調べがついたのは6人(軒)だけでした。
もっとも、その6軒のうちの1軒、伊勢屋さんには支店もあったようですので、その支店も合わせて7軒かと漠然と考えていたのです。


IMG_0067.jpg


『女郎屋は7軒あったよ!』
話を聞かせてくれた男性がはっきりとした口調で言います。
『花月さん、金時さん、三日月さん、福住さん、安兵衛さん、伊勢屋さん…』
ここまではぼくもわかっていました。
じゃあ、残りの1軒は…?
記憶を掘り起こすようにしばらく考えて、
『そうそう、さつきさん。五月って書いて”さつき”だ』


常楽園・五月、安兵衛


特殊カフェー五月さんがあったのは上の写真の路地の右側のあたりだそうです(写っている家よりも大通り寄りで、現在は商店があるあたり)。
なお、左手の駐車場になっている広い土地の一角に特殊カフェー安兵衛さんもありました。


常滑・福楽荘旅館


余談ですが、この広い土地にはかつて映画館があり、そのあとはユニー(今のピアゴ。教えてくれた女性は「ほていや」と呼んでいました。ユニーの昔の商号ですね)ができました。
そこが火事で焼失して以来、空き地(駐車場)になっているそうです。


常楽園・花月



唐突に現れる感じの不自然に広い駐車場なので、ちょっと不思議でしたがそのようなゆえんがあるようです。
また、県道を挟んだ反対側、上の写真のあたりには特殊カフェー・花月さんがありました。


常楽園・三日月


五月さん、安兵衛さんがあったあたりから南に入っていったあたり、昔ながらの住宅街の中に特殊カフェー・三日月さんがあります(上の写真)。
表札はついていますが、現在はどなたも住んでいないとのこと。


常滑・当時の色街


誰も通らない(これは比喩ではありません。ぼくとぼくに話をしてくださっている方以外は全く人は通りませんでした。車は何回か通りましたが…)、静かな住宅街にどうして特殊カフェーがあったのでしょう。

『すぐそこまで』
女性は、片手に持っていた杖で宙を指しました。
『そこまで海だったから』


常滑・市場バス停


そう、このあたりは港町だったそうです。
往時、この通りは港に近い色街(これは別の男性の使った表現ですが)として栄えていました。
特殊カフェーだけでなく、置屋さん、銭湯、八百屋さん、お好み焼き屋さんなどが軒を並べ漁師さんたちが闊歩しているようなそんな通りだったそうです。
ふと、潮の香りがしたような気がしました。


常滑・花街の通り


女性によると、この通りは今でも家こそ並んでいますが空き家だらけだそうです。
住人の高齢化、そして死亡、子どもは都会に住んでいて戻ってこないから、家は空き家のまま荒れていく…。
新聞でよく見かける空き家問題そのままのお話がここでも聞かれました。


常楽園・特殊カフェー金時


上の写真、そしてトップのカラー写真は、特殊カフェー・金時さんだったお家です。
市場町にはもう一軒、金時さんという肉屋さんがあったらしく、その話を聞いたときは特殊カフェーから肉屋さんに転業したものだとばかり思い込んでいましたが、そちらはまた別の金時さんのようです。


常楽園・特殊カフェー伊勢屋


上の写真は特殊カフェー・伊勢屋さんがあったあたり。
ここから通りが始まっています。
なお、近くにあった伊勢屋さんの支店は特殊カフェーではなく、ご親族が経営されている普通の飲み屋だったそうです(下の写真、突き当りのとんがり屋根が伊勢屋支店)。


常滑・大きな門の家


常滑市場町・行き方
名鉄常滑線常滑駅下車。
名鉄電車の東を並行して走っている県道252号線を南下、市場交差点を左折してすぐ。
徒歩20分ぐらいです。
バスなら知多バスが常滑駅から出ています。
上野間行きなら本町バス停か市場バス停で、半田行きなら本町バス停か山方橋バス停のいずれかで下車です。


常滑地図


参考ウェブサイト:

ksyellowmonkyのブログ(昔の常滑の写真がたくさん!昇栄楼さんではぼくも駄菓子を買いましたよ♪)
http://blog.livedoor.jp/ksyellowmonky/archives/52094027.html

うどんの三角庵(以前からデラックス味噌煮込みが気になっているお店です。)
https://www.facebook.com/%E4%B8%89%E8%A7%92%E5%BA%B5-206309486105661/

名鉄資料館(常滑線の歴史が古い写真で)
http://www.meitetsu.co.jp/recommend/library/exhibition/detail/1234627_5073.html


常滑・市場町の廃屋







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常滑・タイルの飾りのあるお家
(2017年11月9日、2018年1月2日)
posted by ahoujin at 16:09| Comment(2) | 遊郭(愛知県)

2018年01月01日

愛知県・カフェー(いわゆる特殊飲食店)の営業地帯形成状況







名楽園・稲本


あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、せっかくお正月なので、今日はいつもと趣向を変えて『愛知県警察史』に掲載されている「カフェー(いわゆる特殊飲食店)の営業地帯形成状況」をご紹介したいと思います(署別欄・従業婦数欄は省略)。
なお、当ブログに記事がある場合は名称をクリックしていただくと当該記事に飛びます。


カフェー(いわゆる特殊飲食店)の営業地帯形成状況
1 集団的に一画を形成しているもの
名称 業者数 位置
名楽園 81人名古屋市中村区日吉・寿・大門・羽衣・賑町一帯
城東園 156人名古屋市北区水切・生駒・杉栄町一帯
八幡園 66人名古屋市中川区八幡町1,2,3,4,5丁目一帯
港陽園 40人名古屋市港区港陽町
鳴海園  7人愛知郡鳴海町
陶華園 18人瀬戸市陶原町
曳馬園  8人小牧市大字桜井
花岡園 26人一宮市花岡町
松栄新町18人一宮市松井町
衣浦荘 15人碧南市字沖見平
昭和園 46人岡崎市板屋町
千鳥園  8人岡崎市渡町
観月境 20人拳母市大字拳母
新栄連 10人南設楽郡新城町宮西
円福荘 20人豊川市豊川町遠通
東田園 36人豊橋市岩田町
有楽荘 46人豊橋市有楽町

2 散在的に営業しているもの
道風荘   7人春日井市上条町
桜楽園  16人犬山市大字犬山
新天地  12人津島市池須町
清娯園  15人半田市内に散在
海楽園   2人知多郡南知多町大字内海
常楽園   7人常滑市内に散在
亀豊園   7人刈谷市内に散在
陽貴園   3人安城市内に散在
鶴城荘  10人西尾市会生町
睦荘   10人幡豆郡一色町
蒲郡歓楽荘10人蒲郡市小江町
三谷歓楽荘10人蒲郡市三谷町
形原歓楽荘 9人宝飯郡形原町
共楽園   3人渥美郡田原町
五楽園   3人渥美郡渥美町

                       以上

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posted by ahoujin at 08:56| Comment(2) | 遊郭(愛知県)

2017年12月31日

愛知県・津島市池須町 津島新天地赤線(遊郭)跡







IMG_4432.jpg


もうすぐ新年なので(笑)、津島新天地のレポートです。
当時、津島新天地には12軒の特殊飲食店がありました。
上の写真は、津島駅の閉店している喫茶店なのですが、「ニューカントリー」という屋号に新天地の影を見いだすのは穿ちすぎでしょうか。


IMG_5948.jpg


津島新天地は池須町にありました。
池須町は津島神社の東に位置するちいさな町です。
『ずっと池須だでねえ』
と笑う女性とお話をする機会に恵まれました。


津島・料理太田屋


池須は狭い街ですが、往時は映画館もあり、近くには巴座という芝居小屋もあったそうです(巴座の住所は天王通りになりますが)。
今はどちらもマンションになってしまっていますが・・・。


新天地・紀の昭、二葉家、津島映劇


上の写真の真ん中の駐車場が、特殊飲食店『二葉家』のあった場所です。
細い路地があって、そこを入ったところに入口があったとおっしゃっていました。
不幸にも火事を出してしまい、無くなってしまったそうです。
写真の左端の塀のあたりに、特殊飲食店『紀[]昭』(紀と昭の間は、変体仮名の「の」。きのしょう、と読むそうです)がありました。
奥のマンションが建っているところが映画館・津島映画劇場の跡地です。


新天地・竹廼家


上の写真は、ひとつ前の写真の向かいあたりになるのですが、梅なんとかさん(特殊飲食店『梅川』さんかもしれませんが、記憶があいまいなようでした)がありました。
『梅川』さんについては地図にも載っていませんでしたので、引き続き要調査ですね。
その梅なんとかさんの左隣に特殊飲食店『竹廼家』さんがありました。


池須・料理玉船


上の写真は料理店『玉船』さん、この店の右側に特殊飲食店『春本』さんがありました。
この『春本』さんは、梅なんとかさんの裏側にあたります。


池須・ゑびす旅館


こちらは通りをはさんだ一帯です。
この古そうに見える『ゑびす旅館』さんですが、昭和39年の建築だそうです。
意外と新しいですね。
昭和32年の地図にも『ゑびす旅館』の名前が見えますが、建て替えたのでしょう。
ぼくに、お話をしてくれた女性も、池須には当時の建物はほとんど残っていないと言っていました。


天王通り・オリヅル化粧品


そんな中で、あそこは昔のままだと教えてくれたのが、こちら。
下の写真のお家です。
このお家が、特殊飲食店『昭和』さんだったお家だそうです。
もっとも外見はサイディングされてしまっており、現代住宅のようです。
その輪郭から当時をしのぶしかありませんね。
なお、『昭和』さんの手前は広い駐車場になってしまっていますが、往時は市場があり、周辺にはバーが立ち並ぶ繁華な場所だったようですよ。
(2018年1月1日追記:春馬車さん( @jounalduvoleur )が、サイディングされる前の『昭和』さんの姿をカメラに収めていました!興味のある方は春馬車さんのツイートを検索してみてください。すごいです)


新天地・昭和


津島の特殊飲食店(一部)
紀[]昭(のは変体仮名のの)
二葉家
梅川
竹廼家
春本
昭和


今年の更新はこれでおしまいです。
本年も拙文をお読みいただき、ほんとうにありがとうございました。
皆様にとって、来年が良い1年になりますように。
また来年もどうかよろしくお願いいたします。


池須・小料理店の観察のある家


津島池須町・行き方
名鉄津島線津島駅下車。
駅前から西へ向かう天王通りを10分ほど歩くと天王通1という交差点があります。
そこを右折したあたりが池須町になります。


津島市池須町地図


参考ウェブサイト:

一般社団法人津島まちや・まちなみ再生機構(『ゑびす旅館』さんの内部見学とか、空き家のお掃除会とかをされています)
http://tsushima-machiya.net/

名古屋スイーツ備忘録(天王通りの安くておいしいパン屋さん長栄軒の記事があります)
http://sweetsandgreen.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-81a5.html

cafe Earing(現役時代のニューカントリーの記事があります))
http://ivory.ap.teacup.com/akkykaorin/150.html


天王通り・小料理店


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昭和町・バン
(2017年9月27日、12月26日)
posted by ahoujin at 18:25| Comment(0) | 遊郭(愛知県)