2018年01月03日

愛知県・常滑市市場町他 常楽園赤線(遊郭)跡







常楽園・金時


『愛知県警察史』の一覧によると、常滑にあった常楽園は7人の業者で構成されています。
けれども、調べがついたのは6人(軒)だけでした。
もっとも、その6軒のうちの1軒、伊勢屋さんには支店もあったようですので、その支店も合わせて7軒かと漠然と考えていたのです。


IMG_0067.jpg


『女郎屋は7軒あったよ!』
話を聞かせてくれた男性がはっきりとした口調で言います。
『花月さん、金時さん、三日月さん、福住さん、安兵衛さん、伊勢屋さん…』
ここまではぼくもわかっていました。
じゃあ、残りの1軒は…?
記憶を掘り起こすようにしばらく考えて、
『そうそう、さつきさん。五月って書いて”さつき”だ』


常楽園・五月、安兵衛


特殊カフェー五月さんがあったのは上の写真の路地の右側のあたりだそうです(写っている家よりも大通り寄りで、現在は商店があるあたり)。
なお、左手の駐車場になっている広い土地の一角に特殊カフェー安兵衛さんもありました。


常滑・福楽荘旅館


余談ですが、この広い土地にはかつて映画館があり、そのあとはユニー(今のピアゴ。教えてくれた女性は「ほていや」と呼んでいました。ユニーの昔の商号ですね)ができました。
そこが火事で焼失して以来、空き地(駐車場)になっているそうです。


常楽園・花月



唐突に現れる感じの不自然に広い駐車場なので、ちょっと不思議でしたがそのようなゆえんがあるようです。
また、県道を挟んだ反対側、上の写真のあたりには特殊カフェー・花月さんがありました。


常楽園・三日月


五月さん、安兵衛さんがあったあたりから南に入っていったあたり、昔ながらの住宅街の中に特殊カフェー・三日月さんがあります(上の写真)。
表札はついていますが、現在はどなたも住んでいないとのこと。


常滑・当時の色街


誰も通らない(これは比喩ではありません。ぼくとぼくに話をしてくださっている方以外は全く人は通りませんでした。車は何回か通りましたが…)、静かな住宅街にどうして特殊カフェーがあったのでしょう。

『すぐそこまで』
女性は、片手に持っていた杖で宙を指しました。
『そこまで海だったから』


常滑・市場バス停


そう、このあたりは港町だったそうです。
往時、この通りは港に近い色街(これは別の男性の使った表現ですが)として栄えていました。
特殊カフェーだけでなく、置屋さん、銭湯、八百屋さん、お好み焼き屋さんなどが軒を並べ漁師さんたちが闊歩しているようなそんな通りだったそうです。
ふと、潮の香りがしたような気がしました。


常滑・花街の通り


女性によると、この通りは今でも家こそ並んでいますが空き家だらけだそうです。
住人の高齢化、そして死亡、子どもは都会に住んでいて戻ってこないから、家は空き家のまま荒れていく…。
新聞でよく見かける空き家問題そのままのお話がここでも聞かれました。


常楽園・特殊カフェー金時


上の写真、そしてトップのカラー写真は、特殊カフェー・金時さんだったお家です。
市場町にはもう一軒、金時さんという肉屋さんがあったらしく、その話を聞いたときは特殊カフェーから肉屋さんに転業したものだとばかり思い込んでいましたが、そちらはまた別の金時さんのようです。


常楽園・特殊カフェー伊勢屋


上の写真は特殊カフェー・伊勢屋さんがあったあたり。
ここから通りが始まっています。
なお、近くにあった伊勢屋さんの支店は特殊カフェーではなく、ご親族が経営されている普通の飲み屋だったそうです(下の写真、突き当りのとんがり屋根が伊勢屋支店)。


常滑・大きな門の家


常滑市場町・行き方
名鉄常滑線常滑駅下車。
名鉄電車の東を並行して走っている県道252号線を南下、市場交差点を左折してすぐ。
徒歩20分ぐらいです。
バスなら知多バスが常滑駅から出ています。
上野間行きなら本町バス停か市場町バス停で、半田行きなら本町バス停か山方橋バス停のいずれかで下車です。


常滑地図


参考ウェブサイト:

ksyellowmonkyのブログ(昔の常滑の写真がたくさん!昇栄楼さんではぼくも駄菓子を買いましたよ♪)
http://blog.livedoor.jp/ksyellowmonky/archives/52094027.html

うどんの三角庵(以前からデラックス味噌煮込みが気になっているお店です。)
https://www.facebook.com/%E4%B8%89%E8%A7%92%E5%BA%B5-206309486105661/

名鉄資料館(常滑線の歴史が古い写真で)
http://www.meitetsu.co.jp/recommend/library/exhibition/detail/1234627_5073.html


常滑・市場町の廃屋







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常滑・タイルの飾りのあるお家
(2017年11月9日、2018年1月2日)
posted by ahoujin at 16:09| Comment(2) | 遊郭(愛知県)

2018年01月01日

愛知県・カフェー(いわゆる特殊飲食店)の営業地帯形成状況







名楽園・稲本


あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、せっかくお正月なので、今日はいつもと趣向を変えて『愛知県警察史』に掲載されている「カフェー(いわゆる特殊飲食店)の営業地帯形成状況」をご紹介したいと思います(署別欄・従業婦数欄は省略)。
なお、当ブログに記事がある場合は名称をクリックしていただくと当該記事に飛びます。


カフェー(いわゆる特殊飲食店)の営業地帯形成状況
1 集団的に一画を形成しているもの
名称 業者数 位置
名楽園 81人名古屋市中村区日吉・寿・大門・羽衣・賑町一帯
城東園 156人名古屋市北区水切・生駒・杉栄町一帯
八幡園 66人名古屋市中川区八幡町1,2,3,4,5丁目一帯
港陽園 40人名古屋市港区港陽町
鳴海園  7人愛知郡鳴海町
陶華園 18人瀬戸市陶原町
曳馬園  8人小牧市大字桜井
花岡園 26人一宮市花岡町
松栄新町18人一宮市松井町
衣浦荘 15人碧南市字沖見平
昭和園 46人岡崎市板屋町
千鳥園  8人岡崎市渡町
観月境 20人拳母市大字拳母
新栄連 10人南設楽郡新城町宮西
円福荘 20人豊川市豊川町遠通
東田園 36人豊橋市岩田町
有楽荘 46人豊橋市有楽町

2 散在的に営業しているもの
道風荘   7人春日井市上条町
桜楽園  16人犬山市大字犬山
新天地  12人津島市池須町
清娯園  15人半田市内に散在
海楽園   2人知多郡南知多町大字内海
常楽園   7人常滑市内に散在
亀豊園   7人刈谷市内に散在
陽貴園   3人安城市内に散在
鶴城荘  10人西尾市会生町
睦荘   10人幡豆郡一色町
蒲郡歓楽荘10人蒲郡市小江町
三谷歓楽荘10人蒲郡市三谷町
形原歓楽荘 9人宝飯郡形原町
共楽園   3人渥美郡田原町
五楽園   3人渥美郡渥美町

                       以上

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posted by ahoujin at 08:56| Comment(2) | 遊郭(愛知県)

2017年12月31日

愛知県・津島市池須町 津島新天地赤線(遊郭)跡







IMG_4432.jpg


もうすぐ新年なので(笑)、津島新天地のレポートです。
当時、津島新天地には12軒の特殊飲食店がありました。
上の写真は、津島駅の閉店している喫茶店なのですが、「ニューカントリー」という屋号に新天地の影を見いだすのは穿ちすぎでしょうか。


IMG_5948.jpg


津島新天地は池須町にありました。
池須町は津島神社の東に位置するちいさな町です。
『ずっと池須だでねえ』
と笑う女性とお話をする機会に恵まれました。


津島・料理太田屋


池須は狭い街ですが、往時は映画館もあり、近くには巴座という芝居小屋もあったそうです(巴座の住所は天王通りになりますが)。
今はどちらもマンションになってしまっていますが・・・。


新天地・紀の昭、二葉家、津島映劇


上の写真の真ん中の駐車場が、特殊飲食店『二葉家』のあった場所です。
細い路地があって、そこを入ったところに入口があったとおっしゃっていました。
不幸にも火事を出してしまい、無くなってしまったそうです。
写真の左端の塀のあたりに、特殊飲食店『紀[]昭』(紀と昭の間は、変体仮名の「の」。きのしょう、と読むそうです)がありました。
奥のマンションが建っているところが映画館・津島映画劇場の跡地です。


新天地・竹廼家


上の写真は、ひとつ前の写真の向かいあたりになるのですが、梅なんとかさん(特殊飲食店『梅川』さんかもしれませんが、記憶があいまいなようでした)がありました。
『梅川』さんについては地図にも載っていませんでしたので、引き続き要調査ですね。
その梅なんとかさんの左隣に特殊飲食店『竹廼家』さんがありました。


池須・料理玉船


上の写真は料理店『玉船』さん、この店の右側に特殊飲食店『春本』さんがありました。
この『春本』さんは、梅なんとかさんの裏側にあたります。


池須・ゑびす旅館


こちらは通りをはさんだ一帯です。
この古そうに見える『ゑびす旅館』さんですが、昭和39年の建築だそうです。
意外と新しいですね。
昭和32年の地図にも『ゑびす旅館』の名前が見えますが、建て替えたのでしょう。
ぼくに、お話をしてくれた女性も、池須には当時の建物はほとんど残っていないと言っていました。


天王通り・オリヅル化粧品


そんな中で、あそこは昔のままだと教えてくれたのが、こちら。
下の写真のお家です。
このお家が、特殊飲食店『昭和』さんだったお家だそうです。
もっとも外見はサイディングされてしまっており、現代住宅のようです。
その輪郭から当時をしのぶしかありませんね。
なお、『昭和』さんの手前は広い駐車場になってしまっていますが、往時は市場があり、周辺にはバーが立ち並ぶ繁華な場所だったようですよ。
(2018年1月1日追記:春馬車さん( @jounalduvoleur )が、サイディングされる前の『昭和』さんの姿をカメラに収めていました!興味のある方は春馬車さんのツイートを検索してみてください。すごいです)


新天地・昭和


津島の特殊飲食店(一部)
紀[]昭(のは変体仮名のの)
二葉家
梅川
竹廼家
春本
昭和


今年の更新はこれでおしまいです。
本年も拙文をお読みいただき、ほんとうにありがとうございました。
皆様にとって、来年が良い1年になりますように。
また来年もどうかよろしくお願いいたします。


池須・小料理店の観察のある家


津島池須町・行き方
名鉄津島線津島駅下車。
駅前から西へ向かう天王通りを10分ほど歩くと天王通1という交差点があります。
そこを右折したあたりが池須町になります。


津島市池須町地図


参考ウェブサイト:

一般社団法人津島まちや・まちなみ再生機構(『ゑびす旅館』さんの内部見学とか、空き家のお掃除会とかをされています)
http://tsushima-machiya.net/

名古屋スイーツ備忘録(天王通りの安くておいしいパン屋さん長栄軒の記事があります)
http://sweetsandgreen.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-81a5.html

cafe Earing(現役時代のニューカントリーの記事があります))
http://ivory.ap.teacup.com/akkykaorin/150.html


天王通り・小料理店


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昭和町・バン
(2017年9月27日、12月26日)
posted by ahoujin at 18:25| Comment(0) | 遊郭(愛知県)

2017年12月24日

愛知県・蒲郡市三谷町 三谷歓楽荘赤線(遊郭)跡







三谷・貸席伊奈吉


三河三谷と言うと、温泉街、そして、廃墟サイトの定番だった巨大廃墟ホテル「蒲郡ふきぬき観光ホテル」のイメージが強いのではないでしょうか。
もっとも、今はそのふきぬきも解体されてしまい、ホテル名を刻んだ石看板が残るだけになってしまいました。


三谷温泉・あい


そのふきぬきの近くには、かつてロープウェーの駅があり、プラネタリウム(年度不詳の地図ではプロネタリウムと表記)がありました。
そのプラネタリウムが閉鎖後、大秘殿という秘宝館のようなものになり、今はその大秘殿も廃墟になっています。


三谷温泉・玉家


そんなこんなで、ちょっとさびしげな三谷の町ですが、ひとたび南に目を転じればそこには昔日と変わらずにキラキラ光る海がものしずかに広がっており、なぜか安心させられるのでした。


三谷・松葉通り


さて、三谷には歓楽荘という特殊カフェーの組合がありました。
『愛知県警察史』という本によりますと、歓楽荘は蒲郡歓楽荘、三谷歓楽荘、形原歓楽荘と3ケ所あったように書いてありますが、実際はどうだったのでしょう。


三谷・金平


ぼく個人としては、歓楽荘自体はひとつの組合だったのだけれども、あまりに範囲が広すぎるので、管理の都合上警察では三つに分類していたのではないかという仮説を立てています。
下の写真は特殊カフェー『寿美吉』さんだったと思われるお家です。


三谷・寿美吉


下の写真に写っている道は往時は川でした。
すぐそばの松葉通り(国道23号線)と交わる処には東橋という橋がありましたが、今は跡形もありません。
この川の左側には『一富士』、『鶴亀』、そして右側には特殊カフェー『志乃夫』がありました。


三谷・志乃夫・鶴亀


下の写真は川から少し東に入ったあたり。
道の左側に特殊カフェー『いろは』さんがありました。
近くに、特殊カフェー『稲屋』さんもあったようです。


三谷・いろは・稲屋


トップのカラー写真は、貸席『伊奈吉』というお店です。うっすらと「貸」の字が読めますね。
この『伊奈吉』の並びにあるのが下の写真、のこぎり屋根の青柳アパートです。
そう、この屋根でおわかりのように、かつては青柳織物工場という工場でした。


三谷・青柳織物工場


佇まいが素敵な青柳旅館の向かいにある大衆食堂で昼食をいただきました。
以前は、この食堂の裏手の方に検番があったため、芸者さんもこの食堂に食べに来ていたそうですよ。
なお、下の写真は『一楽』さんだったお家です。


三谷・一楽


三谷の特殊カフェー(一部)
       屋号    所在地
       玉家    一舗
       銀泉    二舗
       志乃夫   二舗
       稲屋    東前
       いろは   東前
       寿美吉   東前
       寸楽    東前


三谷・豆タイルの家


三谷・行き方
JR東海道本線三河三谷駅下車、駅前通りを南下、国道23号線を左折。徒歩15分ぐらい。
またはJR東海道本線蒲郡駅下車、名鉄東部バス・ラグーナ線で乃木公園口下車。乗車時間は10分ぐらいです(本数が少ないので注意してください)。


三谷・地図


参考ウェブサイト:

過去の棲家(更新されている頃は夢中で見ていました。もちろんふきぬきもあります!)
http://kakonosumika.fc2web.com/

under zero(詳しくロープウェーのことが!)
http://underzero.net/html/tz/tz_568_1.htm

はまにーのブログ(青柳旅館さん宿泊のレポがあります)
https://ameblo.jp/hama2189/entry-10718617827.html


三谷・青柳旅館


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三谷・青い戸袋の家
(2017年9月26日、12月19日)
posted by ahoujin at 23:16| Comment(2) | 遊郭(愛知県)