
やなぎなぎさんのライブ"color palette〜2016 Green〜"を見に東京へ行ったので、時間を見つけて鳩の街を訪ねてきました。
上の写真は、一見バンコ・デルムット・ソッコルソのアルバムジャケットのようですが、鳩の街にあるお家です。

例によって、帰宅してから調べて知ったのですが、この町が吉行淳之介の「原色の街」の舞台なのだそうです。
もう30年近く読んでいませんが、ひさしぶりに読みたくなりました。

鳩の街は、東京の下町を強く感じさせる町でした。
朝の時間だったこともあるのでしょう。
細い路地を歩いていると、朝ごはんやお化粧の匂いが漂い、食器の音、兄弟げんかの声、テレビの天気予報の音声などが間近に聞こえてくるのです。

鳩の街には名古屋の八幡園遊郭などにあるような遊郭建築はありません。
いわゆるカフェー建築なのですね。
円柱がとてもおしゃれです。
家を建てるならこんな家がいいなあ。

この町のお家たちも古くなってしまい、あちこちで建て替えが行われておりました。
細い路地のなかに突然今風のマンションがでてきたり。
現代を代表するスカイツリーが借景に見えるのも印象的でした。

下の写真は、カフェー建築の美しさを世間に知らしめた木村聡先生の名著『赤線跡を歩く』にも登場したお家です。
「二つあった入口の跡が残っているお宅。」として紹介されています。

下の写真のお家も、やはり同書で「鮮やかなブルーを基調にしている」と紹介されています。
写真がモノクロなのでわかりにくいのですが、円柱やひさし、腰板がブルーのタイルでおおわれているのです。
同書の発行が1998年なので、あの本の写真からも20年近い月日が経っているのですね。

やはり20年の歳月により、このお家もリフォームがされて壁の質感が変わっています。
それでもブルーの円柱をはじめ元々の意匠を残していただいたことに感謝です。

鳩の街通り商店街入口の脇に、とんかつ三好弥さんがありました。
三好弥さん発祥の地は愛知県だそうです。
愛知県民としてはちょっとうれしいかも。

鳩の街・行き方
京成曳舟駅から東向島一丁目の鳩の街商店街入口まで徒歩10分ぐらい。
ぼくは前夜に泊まった浅草六丁目のホテルから徒歩で行きましたが30分はかからなかったと思います。
参考ウェブサイト:
晴れときどき三好弥(このサイトで閉店とされている東向島の三好弥さんと上の三好弥さんは違うようです。謎が深まります)
http://blog.livedoor.jp/tokyo3448/
こぐま(今回は開店時間前だったので入れませんでしたが、次は絶対に行きたい!外見見るだけでも素敵です)
http://www.ko-gu-ma.com/
花街ノスタルジア(2002年、2010〜2013年の鳩の街の写真が見られます)
http://furo1010.blog.fc2.com/blog-entry-83.html

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【遊廓(東京都)の最新記事】
モノクロだからでしょうか
前回の記事もそんな感じあるんですけど
東京じゃないみたい!
どことなく数十年前にタイムスリップしたような
そんな雰囲気の写真で素敵です。
私も今度行ってみますーw
これらの建物は次々取り壊されていってますから、行ってみるのならお早めに!
何か感じるものがあるかもしれませんよ。