2016年08月23日

2016年8月13日 岡山県・倉敷市 旧岡田村横溝正史疎開宅 





了然和尚

「気ちがいじゃが仕方がない。―」(「獄門島」)

というわけで、岡山県倉敷市旧岡田村に行ってきました。
ここは横溝正史が疎開していた土地として知られており、この土地で「本陣殺人事件」、「獄門島」、「夜歩く」などの諸作を著しました。
つまり、横溝正史ファンにとって、この土地は聖地なのですね。
ネットでダウンロードしたマップを片手に歩いてきました。


清音駅

伯備線の清―駅でおりて、ぶらぶらと川―村の方へ歩いてくる一人の青年があった。(「本陣殺人事件」)

有名な、金田一耕助の初登場の場面ですね。
ぼくは、清音駅(原作では清―駅)前のパン屋さんとタバコ屋さんで売っているという、ミステリーガイドブック(300円)を買う予定でしたが、折悪しくいずれのお店でも売り切れでした。
9月から11月にかけて、金田一耕助がらみの各種イベントが予定されているようですので、それに合わせて改版しているのかもしれません。
ちなみに、この清音駅周辺は総社市です。
横溝作品には何かと出てくる地名ですので、横溝ファンとしては総社と聞いただけでワクワクしてきますよね。
(そうじゃ、そうじゃと同意の声)


煙草屋

耕助はそこの曲がり角にある煙草屋へ入っていった。そしてチェリーをひとつ買うと、煙草屋のおかみさんにこんなことを訊ねていた。
「おかみさん久―村へ行くのはこの道を行けばいいんですか」(「本陣殺人事件」)


まさか、当時のものではないでしょうが、今も曲がり角の近くに煙草屋がありました。
おそらく、この煙草屋さんのおかみさんも、大勢の横溝ファンから質問攻めにあっていることでしょう。
「おかみさん久―村へ行くのはこの道を行けばいいんですか」


一膳飯屋

川田屋というのは、この物語の一番最初に三本指の男が現れた、村役場まえのあの一膳飯屋のことなのである。(「本陣殺人事件」)

この川田屋はもちろんファンサービスであって、現役の食堂ではないのですが、とてもいい感じです。
この辺りは横溝正史がらみでない家でも、なかなか味わい深い建築が多いように思います。
傍らには記念撮影用の看板もあります。


濃茶のばあさん

「しかし、あの濃茶の尼というのは、いったい何者なのです。どうしてあんなにしつこくぼくにつきまとうんです」(「八つ墓村」)


「たたりじゃー」で有名な濃茶の尼の名前はここから名づけられたという、濃茶のばあさんの祠です。
また、「獄門島」の了然和尚の寺・千光寺の名前のもととなったお寺もすぐ近くです。
なお、左端に写りこんでいるのは同行した友人のヒューイ・ルイスさんです(嘘)。


横溝正史宅

私の疎開していた農家は天井も柱も長押も全部紅殻塗りであった。そのことが私に「黄色の部屋」を連想させ、こういう家を舞台に純日本式構成で、密室殺人が書けないものかと工夫をこらしはじめた。(「真説・金田一耕助」)

たどり着いた横溝正史疎開宅の門は閉じられていました。
まったく気にしていなかったのですが、開館時間が決まっていて、毎週火水土日の10時から16時までが見学時間だったのです。
同様に、大池の脇にある”真備ふるさと歴史館”も16時までだったため見学できませんでした。
今後行かれる方は、開館日と時間をチェックしてから行ってくださいね。


大池

左を見ると池の中に小さな島が突出していて、その島にまつってある祠が、水のうえにあざやかな影を落としていた。(「空蝉処女」)


この小説、「空蝉乙女」は、手元の角川文庫版では、「うつせみおとめ」とルビがふってありましたが、大池のほとりにあった看板では、「うつせみのおとめ」となっていました。
作家は、どちらのつもりで書いたのでしょう。


一柳家跡地

私はこの土橋を渡って、屋敷の北側をくぎっているがけのうえの、ふかい竹藪の中へもぐりこんだ。(「本陣殺人事件」)

地元の方によると、この写真の奥の方に本陣殺人事件の一柳家のモデルになった家があったのではないか、とのことでした。
今回の散策では、メインともいうべき疎開宅の中にこそ入れませんでしたが、往時、横溝正史も歩いた道をのんびりと歩くことができたのですから、大いに横溝成分を補充することができたのでした。


参考ウェブサイト:

巡・金田一耕助の小径(まずは、このサイトから。岡田村だけじゃなく岡山県全体の横溝マップもあります)
http://www.kurashiki-tabi.jp/kindaichi/

茶木みやこオフィシャルサイト(古谷一行版の横溝正史シリーズのED曲は名曲でしたね)
http://www.chakimiyako.com/index1.html

井出野屋旅館(長野県の旅館です。映画『犬神家の一族』で坂口良子さんが女中をしていた旅館ですね)
http://www.idenoya.server-shared.com/

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タグ:旅行 岡山 文学
posted by ahoujin at 21:12| Comment(0) | 中国地方

2016年08月18日

2016年8月14日 広島県・竹原市 大久野島





うさけつ


お盆の真っただ中の8月14日、ねんがんの大久野島に行ってまいりました。
大久野島?
そうです、そうです。
あのうさぎ島ですね。
知らない方のために説明しますと、野生のうさぎさんたちがわんさと住んでいる素敵な素敵な島なんです。


simple sea


今回の旅行の計画を立てたのが、1週間前のこと。
お盆ですから、当然のようにホテルの空きもなく、半ばあきらめていましたが、しつこくじゃらんを攻め続け、なんとか空室をゲット。
昨夜は福山夏まつりでにぎわう福山の町で一泊したのでした。

今朝は早い電車で福山を立ち、糸崎で呉線に乗り換え、最寄りの忠海駅に到着したのは7時55分でした。
ちなみに「忠海」は「ただのうみ」と読みます。
謙虚ですね。


かんばん


駅舎を出て右へ進むと、大久野島行の船が出る忠海港に行きます。
でも、その前に飲み物を買おうと駅の左にあるファミマに立ち寄ったのですが、これが大正解。
ここのファミマは大久野島へ行く人のために、うさぎさんのえさを売っていたんです。
種類は、ラビットフード、きゃべつ、にんじん。
それぞれ100円です。
また500円の詰め合わせもあります。
ぼくはラビットフード、同行の友人はきゃべつを購入しました。
なお、ラビットフードは量が少なく見えますが、けっこう入っていましたので、日帰りなら100円分で十分だと思います。
お店にも書いてありましたが、大久野島ではうさぎさんのえさは売っていないので予め用意しておく必要があります(人間用の食べ物をうさぎさんにあげることはできません)。

さて、えさと飲み物(これは自分用)を購入したら港へ向かいます。
港までは歩いて約5分。
そこそこ通行量がある道路なのに歩道がありませんので、お子様連れの方はお気を付けください。


切符売り場


港につきました。
まだ朝早いし、すいているかな〜と思ったら大間違い。
フェリー乗り場は長蛇の列、切符売り場も人が並んでいました。
フェリーの時間ぎりぎりに来たりすると、切符が買えずに乗り遅れる可能性がありますから(待ってくれるかもしれませんが)、早めに来た方がいいみたいです。
そうそう、フェリー乗り場でもラビットフードを100円で販売していますので、ファミマで買えなかった方はこちらでどうぞ。


フェリーに乗船


船に乗っている時間は5分ぐらいでしょうか。
あっという間に大久野島につきました。


ぞろぞろとフェリーから降ります。
うさぎさんは?
あれ、いないなあ・・・と思っていると、向こうを走っている小動物!
うさぎさんです。
そして、日陰に行くと、あっちにもこっちにもうさぎさんが。
おもいおもいの格好でくつろいでいます。


おもいおもい


説明によると、島のうさぎさんは700羽ぐらいだということですが、なんかもっといっぱいいるような気がします。
それだけ、たくさんいます。


眠い子


なお、ぼくと友人は徒歩で島の展望台まで上がりましたが、足元もあまりよくなく、かなりの難関でした。
シダにおおわれて先が見えない道を進んだり、クモの巣にひっかかったり。


まちかね


だから、来る人も少ないのでしょうか。
途中で出会ううさぎさんたちは大歓迎してくれるので、苦労して登った甲斐はありますよ(この登山道のうさぎさんたちは水に不自由してそうなので、きれいな水を持っていけたら持って行ってあげてください)。


道なき道を行く


島にはうさぎさんだけでなく、戦争遺構もかなり残っています。

発電所跡



参考ウェブサイト:

休暇村大久野島(うさぎさんのことをとても考えていらっしゃる宿泊施設です。船の時刻表もあります)
http://www.qkamura.or.jp/ohkuno/

うさぎの楽園(大久野島のうさぎさんの老舗サイトです。おすすめ)
http://uta-jima.com/

大三島フェリー(忠海港から大久野島を通って大三島まで行くフェリーを運航しています)
http://sanyo-shosen.jp/omishima/



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posted by ahoujin at 00:21| Comment(0) | 中国地方

2016年08月10日

2016年8月7日 長野県・塩尻市 奈良井ダム





奈良井宿

この日はダムに行く予定は全くなく、友人と二人で山梨県の長坂という町に行く計画でした。
ところが、車内待ち合わせの”ホリデー快速 木曽路”に友人が乗ってこないトラブルが発生!
ほどなく、名古屋までの電車が遅れた影響で乗り遅れたとのメールが来ました。

奈良井宿のあさがお

とりあえず、ぼくはそのままホリデー快速に乗り続け、友人は次の列車で追いかけ、岡谷あたりで落ち合うことにしました。
岡谷を待ち合わせ場所にしたのは、せっかくだから、以前から行ってみたいと思っていた天竜川の原流(諏訪湖にあります)に行こうと思ったのです。

奈良井宿・石

さて、思わぬ一人旅となった車内ではダムアプリ「ダムナビ」が大活躍!
このアプリは今いる近くにあるダムが探せるのでとっても便利なのです。
まだ使っていない方はぜひ。
無料ですよ。

森林鉄道

というわけで、「ダムナビ」片手に車窓を眺めます。
この中央本線沿いは実にダムが多く、かなり期待していたのですが、車窓から満足に見えるのは、落合ダムぐらいで、読書ダムはちょっと見えたか見えないか、後はほとんど見えないようです。
緑が生い茂る夏場というのも災い。
それにしても、川に沿って列車が進んでいて、しかもそこかしこにダムがあるのに見ることができないというのはストレスがたまります。

奈良井ダム・発電所

と、そこで気がつきました。
岡谷まで行かなくても、この辺で途中下車してダムを見て、それから友人と落ち合えばいいのだと。
「ダムナビ」によると、次にあるダムは奈良井ダム。
でも、ちょっと駅から遠そうだな・・・、とアクセス方法をググってみます。

バス停

じゃらんによると、奈良井ダムはJR奈良井駅からバスで10分のこと。
こいつはいいと、勇んでバスの時刻を調べ・・・たのですが、どうも怪しい。
無さそうなんですよね、バス。
むう。
その時、まもなく奈良井に到着というアナウンスが。
迷っている時間はありません。
バスが無ければ歩けばいいさ、と開き直って奈良井で下車しました。

奈良井ダム・のり面

奈良井駅は駅事務室が観光案内所を兼ねているタイプの駅でした。
奈良井ダムまでのバスについて尋ねると、あっさりと「無いですね」との回答が。
やっぱりか・・と思いつつ、奈良井ダムまでの道筋を書いてもらった観光マップ片手に一路ダムに向かいます。
(じゃらんの名誉のために言うと、バスはありました。ただ、定期便は1日1本、あとは2日前まで要予約のデマンド便の運行です)

奈良井ダム

ダムに行くには奈良井宿の中を通りますが、時間の関係でゆっくりと見ている暇はありません。
お腹も減っていましたが、お金の関係で食べるわけにはいきません。
何をかくそう、財布の中身は空なのです(ATMでおろす予定だったのですが、このあたりにはそんな気の利いたものはなさそうでした)。

奈良井ダム

奈良井宿を抜けると、山道になります。
すぐ脇を流れていた小川がいつの間にか渓流となり、流れの音が大きくなっていました。
途中、矢印付きの奈良井ダムの錆びた看板があったので、そちらに進んだのですが、これは善良な歩行者をたぶらかす罠でした(笑)
こちらに進むと遠回りなので皆さんはこの看板には惑わされぬようお願いします。

奈良井ダム

小一時間ほど山道を歩き続けて、ふと気がついたら流れの音がほとんど聞こえなくなっていました。
これは、つまりダムが近いということじゃないでしょうか?
そう思う間もなく、木々の間から奈良井ダムの若草色に彩られたのり面が見えたのです。
やったー八分音符

奈良井ダム

さて、まとめると奈良井ダムはJR奈良井駅から往復2時間もあれば徒歩で行って帰ってくることができます。
ただ、これはあくまでも往復の時間だけなので、ダムでゆっくりしたい方はもっと余裕を見た方がいいかもしれません。
奈良井宿を抜けるとダムまでトイレはありません。
もちろん、コンビニもありません。
ATMは奈良井宿内の郵便局にあるようです(今、調べました)。
ダムまでたどり着けば公衆便所があります。
ダムカードは提体の脇の管理事務所でもらえます。
ただし、係の方が草刈に行っている間は配布できない旨、掲示がありましたので要注意です(お昼時は大丈夫みたいです)。

奈良井ダム



参考ウェブサイト:

奈良井宿観光協会(時間のある方はぜひこちらも!)
http://www.naraijuku.com/

木曽森林鉄道黒川線(ダムができる前のことですが、奈良井駅から鉄道が通っていたそうです)
http://www.soleil1969.com/ruinstop/ku/ku1.html

塩尻市クマ目撃マップ(発電所入り口にクマ出没注意の看板がありましたが、この辺では目撃情報はないみたいです)
https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=1YzzrVUAuf72QwlfNH4V7OEabq9g&hl=ja

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タグ:長野 ダム
posted by ahoujin at 23:11| Comment(0) | 公共交通機関で行けるダム

2016年08月02日

2016年7月19日 神奈川県・横浜市 永真遊郭跡





横浜橋商店街


前夜は黄金町にあるホテルに宿泊しました。
築は古そうなビジネスホテルでしたが、リノベーションされた清潔なツインのシングルユースが3,240円!
直前予約ゆえのディスカウントでしょうが、それにしても安すぎますよね。

さて、この辺りは、旧遊郭跡(遊廓とはちょっと違うものもありますが)が多いのですね。
この黄金町もそうだし、曙町、そして永真遊郭跡もすぐ近い。
というわけで、この日は黄金町→曙町→永真遊郭跡というルートで歩きました。

横浜橋商店街


ところが、曙町を歩いているときに、カメラのシャッターが切れなくなるトラブル発生!
なんのことはない、バッテリー切れでした。
しかししかし。
こういう時に限って、予備のバッテリーを持っていないのですよね。
というわけで、デジカメをあきらめスマホのカメラをお供に歩きます。


永真遊郭地図


横浜の永真遊郭跡は、横浜市営地下鉄ブルーライン阪東橋駅を降りてすぐの場所にあります。
今の横浜橋商店街が、かつての永真遊郭と外界を隔てていました。
上は現在の地図なのですが、真金町と永楽町のあたり見事なまでに遊郭跡らしいたたずまいと言えるのではないでしょうか。


大鷲神社


この横浜橋商店街のWEBサイトを見ると、桂歌丸師匠の挨拶文が掲載されています。
というのも、師匠の生家はここ永真遊郭の「冨士楼」という妓楼だとのこと。
というか、今でもこの真金町にお住まいです。
なお、永真遊郭という名前は「永」楽町と、「真」金町を合わせた呼び方だそうです。


真金町


昭和30年代までは、永真遊郭も現役だったようですが、それから60年近く経っている現在では、当時の建物は残っていないようです。
それにしても、暑い一日でした。


日傘




参考ウェブサイト:

レファレンス事例詳細(永真遊郭についての参考文献が詳しいです)
http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000113747

金刀比羅大鷲神社(由来が記されています)
http://yokohama-torinoichi.jimdo.com/

Hi Hi 横浜遊郭の歴史(横浜の遊郭についてめっちゃ詳しく書かれています。すごい労作!)
http://blog.livedoor.jp/tomtoms2004/archives/cat_10014820.html

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タグ:神奈川 遊郭
posted by ahoujin at 16:46| Comment(0) | 遊廓